ギネスブックで“世界最古の宿泊施設”に認定されている宿泊施設が日本にあるのをご存じでしょうか?
本日、8月10日は「宿の日」ということもあり、世界最古の宿とその周辺環境についてお話ししようと思います。
そこは、北部・西部を南アルプス、東部を櫛形山系、南部を身延山地に囲まれた山間の町(山梨県早川町)にある『西山温泉 慶雲館』です。
早川町は、日本一人口の少ない町とも言われ、今年の8月1日時点の人口はわずか1,050人(611戸)です。
筆者が十数年前に初めて行った時には「この道で大丈夫?」と思うほどの秘境感がありましたが、現在ではすっかり道路も広くなって通いやすくなりました。とはいえ、東京から車で4時間近く掛かる秘湯であることに変わりはありません。
西山温泉 慶雲館の歴史は、藤原鎌足の長男(真人)が開湯したという慶雲2年(西暦705年)に遡り、1300年を超えます。
様々な伝説や逸話も残されいますので、詳しくは慶雲館ホームページをご覧ください。(慶雲館ホームページ https://www.keiunkan.co.jp/)
これだけの歴史を持つ背景には、身延山・七面山信仰との関わり深い宿場町、フォッサマグナの西縁の断層露頭「糸魚川-静岡構造線」、良質な硯産地である雨畑硯の資料館「硯匠庵」など挙げきることは適いませんが、温泉だけではない多くの地域資源の存在があることが分かります。
そして周辺には、日蓮宗総本山である身延山久遠寺、もちろん富士山や富士五湖の存在も見逃せません。
有名な温泉処も概ね行ってしまったという方は、少し足を伸ばして、世界一歴史のある温泉宿と地域の魅力を体験してみてはいかがでしょうか。(M)