日本版ロングトレイル

IMG_4350 「ロングトレイル」という旅のスタイルが、日本でも脚光を浴びつつあります。「ロングトレイル」とは直訳すると「長い踏み跡」という意味ですが、自然や歴史、食文化を楽しみながら長距離を歩いて旅をするというものです。日本でも海外のロングトレイルを参考に、コースの整備が進められています。
 「ロングトレイル」というと、テントを担いで人がいない荒野や険しい山道を何日もかけて踏破するイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。海外では数千キロを超えるロングトレイルコースも珍しくありませんが、日本版ロングトレイルは長くても200kmくらいで、短い期間で歩き旅を楽しむことができるようになっています。旅館や温泉に泊まりながら、のんびりと歩き旅を楽しむことができるトレイルもあり、中高年に人気となっています。

 日本でのロングトレイルの普及を目的に設立された「日本ロングトレイル協議会」に加盟しているトレイルの数は10(2015年4月現在)ですが、現在様々な地域でロングトレイルの整備が進められています。これらのコースには含まれていませんが、四国のお遍路さんや熊野古道などもロングトレイルと捉えることが可能です。


日本ロングトレイル協議会HP( http://outdoor-ld.jp/lta/index.html )

日本ロングトレイル協議会HP( http://outdoor-ld.jp/lta/index.html )



 ロングトレイルは、車や電車など交通機関を利用する従来の旅のスタイルに比べ、より密接に地域の自然や文化・食に接する事になります。そのことに着目し、ロングトレイルを町おこし、地域おこしに活用しようという動きも出ています。

 その中の一つである「スノーカントリートレイル(SNOW COUNTRY TRAIL)」は、新潟・群馬・長野の3県の県境に位置する雪国観光圏7市町村を結ぶ、全長280kmのロングトレイルです。このトレイルは、登山道だけでなく里の魅力を感じてもらえるような古道などを組み合わせて構成されており、また地域住民との触れ合いにも重きが置かれています。この日本最長のロングトレイルは、この夏のオープンに向け準備が進められています。このトレイルを利用する際、事務局や観光局に届け出をすれば、温泉や土産物の割引、水などの手厚いサポートを受けることができるようになるとのことです。


スノーカントリートレイルHP( http://snowcountrytrail.jp )

スノーカントリートレイルHP( http://snowcountrytrail.jp )




 都会に住んでいると忘れがちですが、日本各地には素晴らし自然や文化が育まれ、残されています。ロングトレイルという「歩く旅」は、それらをより「濃く」体験できる旅のスタイルとして、今後さらに普及していくことでしょう。(N)